夜のお伽噺

アルのオリジナル小説置き場です

夜光の珠



昼間の夾雑が夜の奥に隠れ、微塵の虫の唸りさえ耳につくような深閑の闇が、霧の如く立ちこめていた。かすかな声を聞き、衣の香りを嗅ぎ、襖と屏風で囲った奥の間に這い入り、おぼろげな月のような仄かな青白い光彩を放つ、夜光の珠のような青年が、夜具の上で長い袂や裳裾で手足を包み込み、身を丸めていた。

夜会の髪に触れ、腕をまわし羽衣を引き寄せた。心を捉える柔らかさが、女の記号を持つ青年のなかに生まれ、夜の揺らぎを映す、潤んだ瞳の中に意識までもが吸い込まれていくような錯覚を感じた。
柔らかな頬を愛おしみ、言葉にならない声を漏らす、ふっくらとした唇を塞ぐ。薄羽織の懐に手を潜らせ、乳首の先を引っ掻き、女の肌とは違う蠱惑を含んだ肌理の細かい肌が、さっと緊張するのがわかる。
括れた腰に腕をまわし、たおやかな腿を撫で上げ、大きく割れた裳裾から童女のような無毛の股間に尖らせた陰部を晒した。敏感な括れに情慾を絡め、きわどく切ない呻きを上げた青年は、私の首にかじりつき、むさぼるように唇を吸い、淫雨の雫が二人だけの夜を濡らした。

悶える身体を組み伏せ、爛れたように蕩けた場所を探り当て、抉るように打ち込み、乳首をつまみあげた。忘れることのない、青年の悩ましい喘ぎが闇を震わせた。
自ら張形を突き刺し、あわ立つ身体を波打たせ、両手で乳首をつまみあげた。身体を弓なりに反らせ、はちきれそうな陰部を狂ったように私になすりつけ、夜を呑みこむほど息を吸い、激しく射精した。
そして息を吐きつくした青年は天を仰ぎ、涙を拭った。


外へ出ると、紺青の空に夜光の珠が浮かんでいた。雲に紛れてぼんやりとおぼろげなその光りが、盆の送り火のように瞬き、私を黄泉の国へと見送ってくれた。



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