夜のお伽噺

アルのオリジナル小説置き場です

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風呂での余韻を残したまま、レンとケイは濡れた身体を拭くのももどかしく、ケイのベッドに倒れこんだ。
桜色に染まったケイの濡れた身体が、真っ白いシーツに映え、匂い立つ色香は、妖しいまでに艶めかしかった。

しばらく前、レンは気に入った絵を舐める男の話を聞いたことがあった。
描いただけじゃ物足りなくて、お気に入りの作品と親密に関わりたいと願望する男。レンはケイの裸体を描きながら、その男の気持ちが痛いほど判った。
カンヴァスに唇を付けることはしなかったが、握った絵筆はレンの身体の一部となり、カンヴァスを舐めた。
悩ましい妄想に無言の叫び声を上げ、髪を掻きむしり、気を落ち着かせると、また筆先に神経を集中させた。ケイへの愛をすべて塗りこみ、出来上がった作品は満足できるものだった。
その作品を見たケイは、激しく感情を揺すられ、泣き崩れ、生まれてから、これほど愛されていると感じたことはなかった。
抑えようのない昂りと嬉しさに、ストレートなレンに、求め押し付けてはいけないと、一線を引いていた行為を口に出し、頷いたレンは抱きついたケイを優しく抱き締めた。

傷心旅行の旅先で、改めて知った友情と敬愛、そして同性同士の性行為。
人を初めて好きになり、その相手がたまたま同性だったことに、レンは何の偏見などなかった。
しかし、ケイ以外の同性に想いを寄せることなど決してないことは判っていた。ケイだけが、腕の中で震えるケイだけは特別だった。

ケイの部屋で、羞恥心に震える手で渡された、秘密の化粧ポーチの中身はどれも封が閉じ、新しい物だった。
いつか二人の行為を夢見て、買い揃えていたのだろう。
レンは自分を信頼し、すべてを曝け出した、隠し立てのないケイが狂おしいまでに愛おしかった。レンは嫌な顔をすることなく、それを受け入れた。
すぐに愛する人を包み入れることの出来ないケイの苛立ちと悲しみ、苦痛に歪む、見せてはいけない醜態。それでも風呂場でのレンの愛情溢れる行為に癒され、ケイは自分の愚かな願いをレンにぶつけたことに後悔はなかった。

レンは目の前にある何物にも代えること無い悦びに、ゆっくりと手を伸ばした。
頬から顎、首、肩、胸に指をなぞっていく。ケイは微笑み、身体を震わせる。そのまま二人は、飽きることなく睦み合った。
互いの唾液を啜り、体液で下腹を濡らし、声を上げ、勃起した陰茎を擦り合わせては、束の間の一体感に二人は酔いしれた。
身体を下にずらしたケイは、レンの脈打つ陰茎を唇に収め、レンの引き締まった尻臀を撫で、抱え込んだ。

高まる性感に喘ぐレンの性器は、ケイの口の中で暴れ、溢れる欲情の体液が喉を刺激し、ケイは嗚咽を堪えた。
快感の頂が見えてしまいそうなレンは、ケイの唇から逃れ、激しく陶酔するケイを引きずり上げ、抱き締め呟いた。
「ケイ、君のすべてが欲しい。もう我慢できない」
「レンさん、僕、男であることが辛い。女の子だったら……」
ケイは今日ほど自分の性別を厭わしく思ったことはなかった。
「ケイ、俺は君が好きなんだ。性別なんて関係ない。へんな好奇心で言っているんじゃない」
「レンさん、僕のこと嫌わないでくれますか。汚い身体だって、嫌いにならないでくれますか」
唇を震わせ、瞳を潤ませるケイ。

「ケイ、好きだ!」


レンの鋭いほどに角度をつけた、濡れた性器にケイの細い指が絡み、避妊具を着けるケイをレンは無言で見詰めた。
ケイはレンに背を向けうつ伏せになると、右膝を曲げ、レンに向って身体を開いた。
閉じた花弁のような小さな肛門が悩ましいまでに美しかった。
何度も息を詰らせ、股間から後に廻した指で、肛門にジェルを塗り込むケイの姿に、レンは性器をさらに硬くさせた。

「来て」
声まで濡らした、ケイのたおやかな肢体が妖しく蠢き、レンは滑らかなケイの背中に胸を這わせ、初めて着けた避妊具で丸く尖った陰茎の先を息づく肛門にあてがった。
想像以上の強い抵抗感に戸惑うレンの額から汗がケイの背中に垂れ、ケイはレンの熱い性器に手を添え、何度も肛門の上を滑らせながら尻臀を浮かせた。
顎を上げ、口を大きく開いて息を整え、レンの亀頭をゆっくりと自分で肛門にねじ込み、辛く苦しげな呻き声を吐きながら、陰茎を根元まで埋め込んだ。
求め合う二人が遂げた悦び、身体をはり合わせた二つの激しい鼓動が重なり、お互いの名を繰り返し呼び合った。
口付けをねだる、涙ぐむケイの乾いた唇をレンは唾液で濡らし、シーツに投げ出したケイの手を握り締めた。

待ち焦がれていたレンの身体は、それだけで達してしまいそうだった。息苦しくなるような愛おしさ、感動に支配されたことはなかった。
そしてレンは、押し寄せる快感の荒波に息を荒げ、溢れんばかりの悦びに、全身を硬直させ、生まれて初めて人の身体の中に射精した。


ケイの濡れた髪を優しく撫で、レンは汗ばんだ首筋に唇を当てた。
ケイに感謝するレンの優しい抱擁に、頬を伝う涙をケイはシーツで拭った。成し遂げた悦びに、ケイは身体の痛みなど何でもなかった。このままずっと、離れたくなかった。
「ケイ、ありがとう」
「ううん」
照れ臭そうに含羞むレンにケイは安堵の笑みを浮かべ、レンの腕を労わるように擦った。
身体からゆっくり抜け落ちたレンの性器を後始末するケイの性器は、明らかに達した様子はなかった。
洩らした体液で濡れた陰毛に埋もれた性器は、見るからに憐れだった。レンは自分勝手な欲望に翻弄され、自分だけ遂げたことを悔やんだ。
レンはケイの性器に手を伸ばし、驚いた顔をするケイを抱き寄せ唇を塞いだ。
唇から洩れたケイの甘い吐息が、興奮冷めぬレンをまた刺激した。ベッドに寝かせたケイの幼女のような胸の膨らみに、唇を這わせ乳首を吸った。
小さな乳首は唇の間で尖り、鋭い刺激に胸を反らせ喘ぐケイの下腹に指を滑らせ、性器に指を這わせた。ケイの昂りが指先から伝わり、レンは嬉しかった。
柔らかくした唇でケイの勃起した陰茎を扱き、身体を震わす、ケイの可愛い肢体にレンは欲望を募らせた。

「ケイ、俺、俺は……」
自分の欲望を言い淀むレンに、ケイは震える唇を手で押さえ、小さく頷き、身体を開いた。
レンは慣れない手つきで、避妊具を着け、枕元のジェルのチューブを握った。チューブに裏書された「性交痛の緩和」の文字にレンは胸を痛めた。
何も知らなかった、同性との行為に痛みが伴うことを、レンは自分の無知を恥じた。使用法を指で追ったレンは、指先にジェルを垂らし、ケイの身体の奥に指を潜らせた。
湧き上がる湯のようなケイに指を締め付けられ、目眩がするほどの恋しさに身震いした。
人を恋し、愛することの悦びにレンは心酔していた。

膝を立て拡げたケイの股間にレンは跪き、ジェルを垂らした陰茎の先端を慎重にあてがった。
痛みに息を詰らせ、上ずるケイの身体にレンの腰が引け、陰茎が外れた。ケイは両脚を上げてレンの腰に廻し、尻臀を浮かせてレンの陰茎を誘った。
レンの腰が落ち、亀頭が隠れ、呼吸を合わせて埋め込まれた陰茎に、二人は切ない呻き声を上げた。
「ケイ、上手く挿ったよ」
「レンさん、嬉しい」
蕩けた瞳を向け、掠れた声を洩らすケイ、レンは柔らかくした指を今にも萎れてしまいそうなケイの陰茎に絡めて慰め、ケイの絶頂を誘掖した。
高まる性感からだろう、レンの指の動きに同調するように、小刻みに上下するケイの尻にレンの陰茎は強く刺激された。

「ああっ、レンさん、レンさん!好きです、好き!」
シーツを握り締め、悶え喘ぐケイは全身を戦慄かせ、目を見開き、絶頂の悲鳴を上げ、激しく精液を迸らせた。
レンの陰茎を身体の一番奥まで吸い込み、きつく締め付け、レンも堪らず射精を繰り返し、身体が崩れた。


愛を確かめ合い、至高の悦びに包まれた二人は、身体を繋げたまま抱き合い、余韻に浸った。
一生このままケイと、ずっと、レンは心地よい疲労に痺れる意識で思った。
もしケイが暗闇に迷ったら、その手を握り締め、灯りになろう。
そして、可憐な花に潤いを。

レンは、静に涙するケイの頬に手を当て、唇を重ねた。


終り。




拙いお話に最期までお付き合いいただき、ありがとうございます。身に余る沢山の拍手、重ねてお礼申し上げます。夏に痛めた身体の後遺症に悩まされております。レンとケイの二人の後日談は、後ほど。ゴメンナサイ。


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コメント

拍手コメントへのお礼

A様 コメントありがとうございます。

どうにか、こうにか、いや、無理やりでしょうか・・
お話を終わらせることができました。
読者の皆様に感謝いたします。

本当は、三話ぐらいで完結するように想定していたお話でしたが、
だらだらと長くなってしまいました。
改めて読み返しすと、BL小説には、ほど遠く、絡み話に終始してしまったようで、
いけませんねぇ・・
生々しくなり過ぎた描写を反省しております。

数日でしたが、身体のメンテナンスに行ってまいりました。
クルマの運転の許可も下り、少しづつですが、走り書きをまとめようと思います。
レンとケイの後日談、もうしばらくお待ちください。

ありがとうございます。

  • 2012/11/21(水) 15:58:14 |
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まとめ【ルームシェア 9】

風呂での余韻を残したまま、レンとケイは濡れた身体を拭くのももどかしく、ケイのベッドに倒れこんだ。桜

  • 2012/11/26(月) 07:19:48 |
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