夜のお伽噺

アルのオリジナル小説置き場です

ルームシェア 8

「実は、三日も風呂に入っていないんだ」とレンは頭を掻いた。
照れ臭さに頭を掻くのではなく、頭を掻くことにレンは照れていた。
それはケイと一緒に風呂に入りたいという、レンの意思表示でもあった。ケイは風呂釜に火を入れ、部屋に戻るとレンの手を握り、自室に誘った。

レースのカーテンを引いた夕暮れを待つ静かなケイの部屋は、キンモクセイの甘い香りがした。
整頓された棚には料理の本が並び、二体のテディベアが仲睦ましく肩を寄せ合い座っていた。二人は立ったまま抱擁し身体を撫で合い、ベッドの淵に身体を寄せ、唇を啄んだ。

ケイはレンのジーンズを撫で上げ、レンをベッドにそっと押し倒し、身体を絡めた。
シャツの裾から忍ばせたケイの柔らかな手がレンのわき腹から胸を伝い、レンもケイのシャツをパンツから引き抜き、滑らかなケイの背中を撫でた。
二人は伊東から戻ってから、初めて今日、お互いの素肌に触れることが出来たことに、安堵と悦びの溜息を吐いた。
隙間をなくした二人の唇から甘い吐息が洩れ、蕩け出した欲情を擦り合わせ、二人の興奮を煽った。


風呂の沸いたチャイムが遠くに聞こえ、二人の唇が惜しむように糸を引いて離れた。
ケイはベッドの下の引き出しから、イングリッシュローズの化粧ポーチを取り出し、恥ずかしそうに俯きながら、その中身をレンに託した。
ポーチの中身にレンは目を見張ったが、浅薄な性知識を総動員したレンは、すべてを受け入れるための、愛する二人の特別な前戯だと納得した。
羞恥心で赤らむケイの頬を優しく撫で、火照る耳朶に唇を寄せ、ケイの願いを受け入れた。ケイはベッドに置いたレンの手に手の平を重ね横になり、背中をレンに向けた。膝を抱えるように背中を丸めたケイのパンツのスナップを外し、浮かせた腰からパンツをゆっくりと太腿まで脱がせた。露になった艶のある下着に包まれたケイの丸い尻臀は、まるで果実のようだった。
その余りの芳しさに思わず手が伸び、その滑らかな肌触りにレンは唸った。
レンは果皮を剥くように腰周りに張り付いた下着を腿の付け根まで捲り、ひんやりとしたゼリーのような果肉を手の平で味わった。ケイは息を詰らせ、レンの愛撫に身を委ねた。

ポーチに仕舞われた女性用の秘密の品々、見覚えのある小さい方の薬包を破り、取り出した無花果の実を摘んだ。
何度も念を押すレンにケイは曇った声で頷き、身体を投げ出したケイの柔らかな果肉を握り、隠れていた果実の萼のような窪みに細い嘴を差込んだ。
それは、これからのケイとの性行為の疑似体験のような気がした。嘴を自分の性器に見立て、ケイの身体を貫き、薬液の注入は射精を連想させ、レンは異常な興奮に身震いした。
自ら下着とパンツを戻したケイはレンの身体に噛り付き、荒れ狂う嵐のような口付けでレンの顔中を濡らし、レンもそれに応えてケイの身体をきつく抱き締め、背中を擦った。レンの股間に手を這わせたケイは、ジーンズの上からレンの力強い興奮を感じ取り、嬉しい、と声を大きく震わせた。
レンの腕の中で疝痛に全身を戦慄かせ、混濁した意識で、レンへの想いを囈言のよう口走るケイが憐れで愛おしかった。


独り湯船に浸かり、ケイを待つレンは収まらない興奮が照れ臭く、何度も頭まで湯船に沈んでは息を止め、気を散らした。
静に浴室の戸が開くや否や、レンは浴槽から飛び出した。
含羞みながら入ってきたケイの腕を握り、狭い浴槽に引っ張り込み、ケイの身体を優しく懐に抱いた。
大量な湯が溢れることなど気にならなかった。
レンの腕に抱えられ、頬を寄せ合い、呟くレンの労わりの言葉に、ケイはレンの腕を撫で、感涙にむせんだ。

レンの指がケイの股間を這い、すぐにケイは幼い性器を発情させた。
硬くした性器を宥められ、湧き上がる性感にレンの腕を握り締めた。ケイは腰に当たる、レンの発情した性器に尻臀を押し付け、レンの愛撫に応えた。ケイは身体を捻り、レンの股間を跨いで抱き付き、唇を重ねた。二人は絡めた舌から滴る唾液の甘さに酔いしれ、発情したお互いの性器の塊をぶつけ合った。
レンは目の前のケイの膨らみを帯びた乳房に唇を押し付け、まるで赤子が乳を欲するように、音を立てて小さな乳首を夢中で吸った。
身体の芯まで響く、遣る瀬無い刺激にケイは激しく身悶えさせ、悲鳴にも似た歓喜の叫びが、浴室に木霊した。


石鹸で泡立つお互いの身体を流し合い、ケイは浴槽の淵にレンを座らせ股間の前に跪いた。
右腕をレンの腰に廻し、待ちきれないと脈打つ性器を唇に収めた。
ケイの濡れた髪を優しく撫で、性感の昂りに息を荒げるレンの陰茎は舌の上で角度を増し、ケイは口の中で漏れ出す、レンの体液を何度も吸飲した。
すぐに弱音を吐いたレンは、狂ったようにケイの腰に被り付き、ケイの股間に唇を這わせ、反転した包皮で亀頭を露出させた陰茎を柔らかくした唇で愛おしんだ。少女のようなケイの丸く柔らかい尻臀を両手で愛撫し、薬液の苦痛の洗礼を受けた肛門に濡れた指を滑らせ、指先が躊躇うように動いた。

ケイは思わぬ行為にレンの両肩を掴み、動揺した身体を硬くさせた。
だめです、と頭を振るケイの困惑した表情を見上げ、小さな願いを請うような眼差しを向けるレン。
その優しい眼差しはケイを屈辱させるのもではなかった、愛するケイへの思いを込めた愛情を湛えたものだった。
ケイはレンの願いに身体を弛緩させ、指の挿入を許した。レンは伸ばした指を少しだけ沈め、ケイは溜息を洩らし身体を震わせ、切なく呻いた。

「立っていられない」と膝を崩すケイの身体を抱き支え、性器に頬ずりする、愛しいレンのすべてが、すぐに欲しかった。


続く。


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まとめ【ルームシェア 8】

「実は、三日も風呂に入っていないんだ」とレンは頭を掻いた。照れ臭さに頭を掻くのではなく、頭を掻くこ

  • 2012/11/13(火) 11:42:12 |
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