夜のお伽噺

アルのオリジナル小説置き場です

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三次会

「そういえば佐々木、家に来たことあったよね?」
バスローブを羽織った吉井が、何かを思い出したように言った。
「えっ?」吉井は覚えていた。昔、留守の吉井の家に上がったことを。
きっと吉井はあれを僕に見せたことも、覚えているに違いなかった。
「そうだっけ・・」
動揺する僕の顔を覗き込む吉井を誤魔化すように、グラスに注いだビールを飲み干した。

中一の学校帰りに、誰もいない吉井の家に上がり見せられた、吉井の母が箪笥の奥に
隠していた秘密の写真。
茶封筒から取り出した白黒のヌード写真に混ざり、女性の下着姿で科をつくる、細い美男子の写真。
一番のお気に入りだと言って、吉井は僕に手渡した。
「シスターボーイって言うんだって。男なのに女みたいで」
今でも忘れられない、その妖艶な男の姿に、僕は強く惹かれたが、わざと興味が無いことを装い、
吉井は僕の反応の鈍さに、さっさと仕舞ったような気がする。
今思うと、吉井は相当な、おませな子だった。

「佐々木、ママのエロ写真、覚えてるよね、あの時、佐々木すごく興奮してたの、知ってたよ」
「私、佐々木は、ああいう格好がしてみたいんだなって、すぐに分かった」
「佐々木、今でも、そうなんでしょ?」
隠していた性癖を見抜かれた僕は、下唇を噛み締め小さく頷くのが、精一杯だった。
勝ち誇ったような長い溜息を吐いた吉井は、自分の穿いていたショーツを僕に投げつけ、
穿くように顎で催促した。

今夜は、とんでもない、いや、最高の同窓会の三次会になった。


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