夜のお伽噺

アルのオリジナル小説置き場です

懸崖 (後編)

※懸崖(中篇)の続きです。こちらからお読みいただけます。

悠だけにと打ち明けた修の告白が胸に突き刺さり、悠も隠していた心の内を修に吐露した。誰に聞いてもらうことも出来なかった葛藤を吐き出し、昂る感情で泣き腫らした顔を見詰め合い微笑んだ。見えない力に惹かれるようにお互いの指先が触れ、修の願いに悠の望みが重なり、二人は支え合うように立ち上がった。
存在を認め苦悩を分かち合った二人には、もうこの踊り場には来ることはないと分かっていた。二人は、振り返ることもなく、無言で林道を駆け下り、悠は修に手引きされるように修の後を追った。修は誰もいない自宅に悠を招き入れ、玄関を閉めるや、悠にそっと抱き付き、火照る頬を悠の汗ばむ厚い胸に寄せた。悠も修を優しく受け止めた。

夕暮れの浴室で、生まれたままの姿になった二人。修は悠の裸に欲情した自分の幼い性器を見られることを恥ずかしがり、悠はそんな修がいじらしく、愛おしかった。股間を両手で隠し俯く修を引き寄せると、修はよろける様に悠にしがみ付き、二人は頭からシャーワーを浴びた。修の興奮した性器が身体に触れたが、悠には決して不快なことではなかった。そして、修の濡れた肌が身体に張り付き、手の平から伝わる修の滑らかな背中の手触りと臀部の柔らかさに戸惑い、修の興奮した性器に釣られたように悠も修の下腹に性器を勃起させた。
悠の興奮が修に伝わり、修は嬉しさを抑えられず悠の唇にかぶりついた。中学生同士の、それも男同士の口付けで、二人は感情の赴くままに乱暴に唇を擦り付け、どちらともなく恐る恐る舌を絡めては溢れる唾液を垂らし、ぎこちない口付けに二人は酔った。息を荒げ、立っていられないと、悠の腕から崩れ落ちそうな修の身体を悠は支えた。

濡れた身体を拭くのももどかしく、修の部屋に敷いた布団の上に二人は倒れこんだ。関係していた男の悪戯で、少女のような尖った修の乳首に悠の手が吸い寄せられ、歯痒い胸の刺激に背中を反らせ、悶える修の姿態が悠の興奮を煽った。突然、乳首に吸い付いた悠に、短い悲鳴を上げた修。修の性器がびくんと揺れ、亀頭から雫が垂れた。
悠の反り返った性器に手を伸ばし、身体を起こした修は悠の股間に身体を丸め、悠の性器を唇に含んだ。初めての行為に翻弄される悠の身体と心。目を瞑り一心に悠の性器を頬張る修。高まる性感に甘い溜息を漏らした悠は、修の濡れた髪を撫で、迫る絶頂を口にした。
「修、俺イキそう・・」
「悠さん、お願い」
修は、上目遣いで上気した悠の顔を見詰め、悠の腰を抱え込み、はち切れそうな悠の性器のすぼめた唇で扱き、亀頭を舌先で擦った。初めて他人に引き寄せられた強烈な性感。腰の奥から沸きあがる快感に悠はすぐに我慢できなくなり、絶頂の呻き声を噛み殺した悠は、身体を大きく弾ませ、修の口の中に何度も射精し、修は溢れる悠の精液を吸飲した。



息を切らせ興奮収まらない修を仰向けに寝かし、濡れて行き場をなくした修の性器に指を絡めた。修の性器は悠の手の中でみるみる角度を付け、包皮を反転させ桃色の亀頭を露出させた。悠は修の行為に報いるように、見様見真似で修の性器を頬張った。悠は修の性器を口にすることに何も躊躇することはなかった。お互いの身体を慰めあい、労わることが、今の二人が望むことであった。思ってもいなかった悠の行為に驚き、思いやりに涙ぐみ、興奮の高まりに、うわ言の様に悠を呼ぶ修。迫る絶頂に修は胸の上で両手を握り締めて全身を痙攣させ、悠の口の中で修の性器が大きく膨らみ、繰り返す射精が喉の奥まで飛び散った。二人はきつく抱き合い、興奮収まらないお互いの性器を擦り合わせて、萎んでしまいそうな悦びを膨らませ、二人の熱い精液が布団を濡らした。

それから修と悠は、二人だけになれる場所を探しては、口付けを交わし、修は興奮した身体を見せ付けては、悠の欲情を煽り、発情した性器を柔らかな指と優しい唇で愛撫し合い、束の間の悦びに身体を震わせた。お互いの愛撫に馴染んだ身体が離れがたい結びつきを益々強くさせ、修の口に出せなかった願いに悠は頷いた。

風もなく蒸し暑い真夏の晩、最後の母の留守を預かる修の部屋で、何時になく修に周到に愛撫された悠は、濡れた性器を脈打たせ、修が隠し持っていた避妊具をつけてもらった。悠に背を向け、片膝を付いて跪き、短い溜息を漏らしながら肛門に母親のクリームを指で塗り込む修の後姿に、悠は性器をさらに硬くさせた。修は妖艶な微笑を悠の向け、異常な昂りが我慢できないのか、自分の性器を揉み拉き、小さく頷くと、うつ伏せになり、右膝を「く」の字に曲げ、悠に向って身体を開いた。
「来て・・」
暗い部屋に浮かぶ、修のたおやかな白い肢体が怪しく蠢き、悠は滑らかな修の背中に胸を這わせ、避妊具で丸く尖った性器の先を息づく肛門にあてがった。想像以上の強い抵抗感に慄き、困惑する悠の額からの汗が修の背中に垂れた。修は股間から後に手を廻し、悠の熱い性器を握り、何度も肛門の上を滑らせながら臀部を浮かせた。顎を上げ、口を大きく開いて息を整え、悠の亀頭をゆっくりと自分で肛門に埋め込み、長く辛い呻き声を上げて悠の性器を根元まで納めた。
汗まみれの身体を捩り、口付けをねだる修の乾いた唇を悠は自分の唾液で濡らし、布団に投げ出した修の手を握り締め、二人は思いを遂げた悦びと間近に迫った別れに、激しい情炎を燃やした。身体を繋げた苦痛からだろう、芯を残し萎れた修の性器を悠は手の平で包み、自分の性感の高まりと同調させるように、修の体液で濡らした指先で亀頭を刺激した。
「悠さん!僕、悠さんと離れたくない」
「ここに居たいよ」
嗚咽する修の声が悠の胸を締め付けた。生まれ育った土地を出て行く寂しさとやり切れなさ、馴染みのない新しい土地での不安に押しつぶされてしまいそうな自分の存在と価値。そして愛しい者との別離。悠には修の気持ちが痛いほど分かっていた。
「修、俺たちは、あの崖から飛び降りて、生まれ変わったんだ」
「一時の別れで、修、俺はお前を独りにはしない」
「悠さん、好きです。好き!」
「修、修!修!」
修は悠の性器を身体の一番奥まで吸い込み、収縮を繰り返しては全身を戦慄かせ、悠は経験したことのない強い締め付けに全身を硬直させ、二人は迸る熱情に愛を誓った。


終。



恥ずかしいほどの拙文に、最後までのお付き合いありがとうございます。
拍手していただいた、親愛なる読者の皆様にお礼申し上げます。


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