夜のお伽噺

アルのオリジナル小説置き場です

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鬼火

頑丈なドアを閉めると、耳を疑るような無音の空間に、落ち着きを無くしたその子の鼓動が聞こえた。
真っ赤なビニール張りの部屋には大きな寝台とガラス張りのシャワールームがあり、その手の嗜好を満足させるには十分だった。異様な部屋の作りに、怖気づいたように息を呑むその子の腰を押して、私とその子の二人だけの秘密の蓋を開いた。

その子は私が管理する特殊なサイトの閲覧者で、何度かのメールのやり取りの末、顔合わせはしたものの、私は自分の目を疑ってしまった。妙齢の女性を想像していた私の前に現れたのは、なんと、男の子だった。
その子の醸しだす中性的な雰囲気に、興味が惹かれたのは事実だが、騙された私にも非があり、にべもなく追い返すことも出来なかった。その子の大人びた振る舞いに残る幼さに、白状させた実年齢に呆れた私は、他愛の無い会話で本題を逸らし、二度と会うことの無い再会を約束して、その日は別れたのだった。
しかしすぐに、その子から丁寧なお礼のメールが届いた。切実な想いと願いを吐露した誠実な文面。そして“やっと、あなたに光を見つけました”と最後に綴られた文言に引っ張られた私は、気持ちが揺らいでしまった。
人間、相手に誠実に出られると、誠実を返したくなるものだろうか。その晩、私はその子に日時を指定したメールを送ったのだった。


寝台の淵に腰を下ろした私の前で恥ずかしそうに洋服を脱ぐその子。震える指先がもどかしく、裾の短いキュロットパンツのボタンをやっとの思いで外したその子は、私と視線を合わせないように俯き、下着姿を披露した。
薄嫌い部屋に浮かぶ真っ白い素肌に小さな乳首、柔らかそうな腹と真っ直ぐ伸びた黒いパンストの脚。
股間を隠した細く長い両手を下ろすように命じた。着ていたニットとお揃いのオフホワイトの股間に食い込む女性用の下着。その膨らみに滲む染み跡を詰る私に、待ちきれない欲望を少女ように言い訳をした。

加虐趣味が煽られた私はバッグの中から用意した銀色の薬包の封を切り、緩やかだが確実な薬効が私のお気に入りの白い親指大の座薬をつまみ出し、自分で挿れるように突き出した。
私の命令に息を呑み、出来ないと何度も首を横に振り、怯えた表情で後退りするその子。嫌なら終わりを告げた私に、その子は渋々座薬を受け取ると私に背を向け、しゃがみ込んだ。
肩を窄め滑らかな背中を丸め、下着をずり下げ膨よかな臀部を拡げた。
股間から差し入れた指先を後に廻し、その子は興奮で掠れた呻き声を吐き、座薬を身体の奥深く指で押し込んだ。
命じた通りに下着を戻し私の前に跪き、褒美が欲しいと甘えるその子の口元に人差し指を伸ばした。
ちゅうちゅうと、まるで男性器を愛撫するような音を立て、目を閉じ指をしゃぶるその子。早くも薬効があらわれたのか、苦しそうに喘ぎはじめたその子の口の中をかき回した。
震える舌を弄り、溢れた唾液が顎を伝わり糸を引き床に垂れた。綺麗に塗っていた淡いリップが私の指を染め、喉奥に突っ込んだ指で嗚咽を上げ、涙を流すその子。

非情な薬効に身体を戦慄かせ、粟立つ身体で腕組みする私の膝を揺すり、何度も許しを求めるその子に下着を脱ぐように命じた。片足でバランスと取りながら丸めたパンストを脱ぎ捨て、一瞬躊躇したものの、自分の意思では抑えることの出来ない、ふつふつと、身体の奥で湧き出した欲求に下着を下ろした。
短く手入れした陰毛、濡らした光る小ぶりな性器。強い刺激に萎えても発情した、醜い雄の姿態に満足した私は、仕方が無いとばかりに大げさに舌を鳴らし、シャワールームに入ることを許した。



湯気立つガラスの向こうで、強い水流でシャーワーを浴びながら、迫る欲求を散らすように内股を磨り合わせ、性器を弄るその子。切羽詰ったように下腹を押さえ身体を丸め、縋るような許しの眼差しに私は小さく頷いた。
両腕で胸を抱え込み、頭からシャワーを浴びながら、タイルに埋め込まれた白い陶器を跨いだその子は甲高い悲鳴上げ、びくんびくんと、大きく波打った身体がタイルの上に崩れた。


薄暗い寝台の上に浮かびあがる真っ白いその子の妖艶な姿。まるで奇妙なオブジェのような形が、私の加虐趣味に油を注ぐ。
寝台の脇に立つ私に向けた、恐怖と羞恥心が入り混じった眼差しに隠されたその子の煩悩。
その子が持参した黒いエナメル革の首輪と揃いの手枷と足枷で拘束し、たおやかな身体を二つに折り曲げた、不自由な身体を顔と両膝で支えたその子は、すべてを私に晒した。

滑らかな脚にゆっくり手を滑らせ、内腿を撫でる。
今夜はじめてその子の素肌に触れ、私の頭は自分の主義に反した欲望で膨れ上がった。
胡桃のような陰嚢と捲れ上がった陰茎。きつい排泄の刺激で息づく肛門に、指の代わりに買い求めた細いディルドをゆっくり刺し込むと、突き上げた臀部に力が入りディルドを締め付け、色の付いた喘ぎを洩らした。
腰を揺すり嫌がるその子に構わず奥まで押し込む。ディルドに角度をつけ、締めてくる肉襞を押し広げるようにして、その子の感じる箇所を探した。


勿論、はじめは逃げ回っていた。その子が今は亡き実の母から受けていた性的虐待。しかし周到な母の責めに苦しみながらも、悦ぶ母の姿が嬉しかった。
そして母の愛情で導かれた愉悦。母がいなくなり、行為から解放されはしたが、唯一の肉親を失なった寂しさと、身体に刻まれた渇きが日増しに募り、その子を苦しめた。
寂しさと渇きを潤す光を探し求めネットを徘徊し、母と同じビアンの私を見つけたのだった。それも加虐趣味のある私を。

もしも、私が十代で子供を生んだら、成長した子供はその子と同じ歳になっているだろう。その子は私に母の姿を重ねているのは想像に容易かった。
くちゃくちゃと、注入したゼリーを掻き回す音に釣られ、泣き声を上げ母に許しを請うその子。
大きく性器が震えたのを見て、その子の一番感じる箇所へ先端を突き立てた。母の鬼火となった私は、何度も何度も同じ箇所へ、その子の煩っている願いと悦びに届くように……

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