夜のお伽噺

アルのオリジナル小説置き場です

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茶の道 前編

みなさん、茶の湯とは、一服のお茶を、いかに心を込めてたてて差し上げるか、ということから成り立っています。おいしく召し上がっていただくために、茶室を清め、道具をそろえ、季節の花を活け、心を尽くしてお点前します。
お茶のお点前は、歩き方から、帛紗のさばき方と、ひとつひとつおろそかにしないようにと教えられます。
でも茶の湯はとくべつ難しいことはありません。私たちの日常の生活の中に生きている礼法であり、心の通じ合う社交であり、閑寂な美しさを求めるものです。

神妙な面持ちで正座する茶道部員を前にして、私は茶道について語ります。
二十数年前、在校生だった私は、この茶室で恩師である峰千家家元、小野寺香雪先生の話を聞いていました。その時はまさか将来、私が母校で茶道を教えることになるとは夢にも思っていませんでした。

男子校に茶道部と、驚かれる方もいらっしゃると思いますが、本校創始者の文武両道の理念に基づき、日本古来の文化、精神を学び、継承することも教育方針に掲げており、茶道部の歴史は古く、開校間もなく創部されています。
四十路を前にして師範を許され、弟子に稽古をつけ、さらに、こうして母校で教えることが出来るのは、小野寺香雪先生の厳しい稽古と特別な恩顧によるものであります。
茶道の心得が誰もいない商家に生まれた私は、茶道に関心があったわけではありません。興味すらありませんでした。
そのような私が茶道にすべてを捧げることになったのは、ある男との出会いがあり、それは運命の導きとしか言いようがありません。


その男、青柳武は人形町の裏路地で小さな模型店を営み、夜になると二階の自宅に生徒を個別に呼んで家庭教師をしていました。
そもそものきっかけは、青柳の店で毎日のように道草する小学六年の私が気になったようで、青柳が声を掛けてきたのがはじまりでした。
アイドルのような美青年で、私は青柳の身体から何かが放たれていることを子供心に感じました。それは私の憧れがそう感じさせたのかもしれません。

青柳の柔らかな物腰、子ども扱いしない態度。憧憬もあり気の許せる間柄にすぐになりました。おやつをいただき、学校での些細な出来事を夢中で話す私に、笑みを絶やさず嫌な顔ひとつしない青柳は、一人っ子の私には年の離れた兄のような存在に思えました。
店の奥の二畳ほどの板の間に胡坐を組み、模型を組みたたている青柳の膝の上にのり、制服の半ズボンから出た素足を擦られても、嫌ではありませんでした。
そして、なぜか扉の閉まらない和式のトイレを跨ぎ小用する私を見詰める青柳の視線に、好意以上の性的なものを感じ、恥ずかしさと妙な満足が入り混じる複雑な気持ちになっていました。
思い返すと、私は自分の中に隠れていた、同性愛の小さな種の存在に気が付きはじめていたのかもしれません。

成り行き通り、私は中学一年から青柳の個人指導を受けることになりました。膝を突き合わせての勉強は身に入りましたが、教師と生徒を越えた関係も発展していきました。
何気なく膝に置かれた青柳の手が、日を追うことに大胆になっていきます。青柳の手に、とても振り放すことの出来ない魔力を感じた私は、青柳の言いつけに逆らうことなく、ただ頷いていました。
小さかった同性愛の種は、青柳に水を与えられ日増しに膨らみ、芽生えていきました。

勉強が終わると、私は青柳と向かい合い、畳に両手をつけお辞儀をすることが決まりでした。そして私は青柳の許ににじり寄ります。青柳は膝立ちした私を片手で抱え、ジーンズの上から尻を撫で、股間を撫上げていきます。
私の下半身に変化が現れると青柳は手を離し、お尻をぽんと叩き、それ以上の行為にはつながりませんでしたが、興奮した私は、トイレに駆け込み青柳に見られながら、小水を迸らせ気を収めるのが常でした。

学期末試験で好成績を上げた私は、喜び勇んで青柳に報告に行きました。
青柳は自分のことのように喜び笑みが絶えません。
頭を撫でられ、成績に気をよくした私は青柳に甘え、いつも以上の性的な刺激を期待していました。気持ちが伝わったのか、股間を撫でていた青柳の細く長い指がジーンズの中を探ります。
青柳の呟きに、自分ではしたことはないと告げます。自慰行為、オナニーという言葉は知っていましたが、具体的にどのようにするのか、どうなるのかは知りませんでした。

下半身を裸にされ、痛いほど勃起した性器を見られる恥ずかしさ、真上を向いた性器に青柳の柔らかい指が絡まり、一瞬息が止まります。
滑るように蠢く手の刺激で腰のあたりが甘だるくなり、溶けそうな気分に酔います。青柳に答えるまでもなく、沸き起こる気持ちの良さは私を虜にさせ、息が弾みます。
激しくなる鼓動、怖いような興奮、私は青柳の腕につかまります。身体の内から、何か温かいものが絶えず湧いては溢れ、出口を求めています。
おしっこが漏れそう!と訴えた私は逃げる腰をきつく抱え込まれ、青柳の力の籠った指が濡れた性器を扱きます。
目の前で火花が散った瞬間、声を荒げた私は強い快感で全身を戦慄かせ、激しく飛び散る精液が何度も畳を叩きます。
生れて初めての精通は、青柳に支えられなければ、立っていられないほどの衝撃でした。


つづく。


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コメント

元気になられたのですね。

アル様。
書き込みがないので心配していました。
お元気になられたのでしょうか?
舞は相変わらずつまらない小説もどき
をかいております。

  • 2018/10/07(日) 16:13:26 |
  • URL |
  • #T8br11G2
  • [ 編集 ]

舞様
ちょっとフライング気味でアップしましたが、
この後どうなることやら……。

小説拝読しております。
舞様の泉のように湧き出るストーリー展開。創作のエネルギーに脱帽しております。



  • 2018/10/07(日) 18:12:04 |
  • URL |
  • #-
  • [ 編集 ]

ありがとうございます。

アル様
舞の小説もどきをお読みになっていただいてありがとうございます。
アル様の小説は素晴らしいものばかりですね。いつも読ませて頂いたては感嘆ばかりです。

  • 2018/10/08(月) 16:34:19 |
  • URL |
  • #T8br11G2
  • [ 編集 ]

まだまだですか

アル様。
お身体の様子はいかがでしょうか?
毎日拝見しておりますが、書かれていないようで・・
早くお元気になることを祈っています。

  • 2018/12/31(月) 22:17:53 |
  • URL |
  • #T8br11G2
  • [ 編集 ]

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