夜のお伽噺

アルのオリジナル小説置き場です

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ほろ苦い味

いらっしゃいませ!
今晩は
黄色い暖簾をくぐると愛想のいい挨拶に迎えられる
掃除の行き届いた店内、磨がかかった厨房のステンレスの壁
毎度のことながら感心させられる
仲のよい家族で切り盛りしている中華料理屋
丁寧な調理に顧客も多く、私も通いだして何年経っただろうか

いつもの席に腰を下ろし、夕刊を手にしたお嫁さんにビールとレバニラ炒めを頼む
料理は勿論だけれど、実は私のお目当ては決まってこの時間にお仲間と来る
店の並びの美容室に勤める子
今夜はまだあの子は来ていないようで、ちょっとがっかり
小柄な体型、心をとらえる柔らかな物腰、職業柄綺麗にヘアダイした髪の毛
鼻筋の通った、睫毛の長い涼しい目をした美青年
何度か席を共にし、私の目の前で食事する女の子のような仕草に
見惚れた

勿論、話したことなどありません
何処の馬の骨とも分からない、赤ら顔の薄毛オヤジに話しかけられたら
美味しく食事は出来ませんし、二度とこの店には来なくなるのはわかっています

でもそこは悲しきエロオヤジ
勝手な妄想を繰り広げております
お気に入りの格好に着替えさせ
小さな乳首を摘み
喘ぐ鳩尾に指を滑らせ
股間を尖らせた小さな蠱惑的な下着に溜息・・・

独りで薄笑いを浮かべ、ビールを注ぐ姿
他人様から見ればさぞかしアブナイオヤジに映っていることでしょう

いらっしゃいませ!

開いたガラス戸に見覚えのある美容師の一連隊
お待ちしてましたよ、どうぞ、どうぞ
隣のテーブルに腰を下ろした三人組
あら、あら、今夜はあの子がおりません
今日はお休み?

注文を取りにきたお嫁さんの一言
「遠藤君、本店に移ったんだってね」
「このまえ挨拶に来たよ」

エッ!いなくなっちゃったの!
なんとも・・・

ちょっと寂しいけれど、追加したビールで彼の栄転を祝い
いつまでも口に残るレバーを苦味が増したビールで流しました


ちっとも更新できなくてゴメンナサイ


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