夜のお伽噺

アルのオリジナル小説置き場です

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アル式デトックス

例年になく、寒い日が続いておりますが、親愛なる読者の皆様はいかがお過ごしでしょうか。
暖房器の前を陣取り、外出を躊躇う私の体内には、妄想の毒素?が溜まり、身体に変調をきたしております。ひとり身悶える(笑)私は、妄想を活字に起こすことで、体内に溜まった有毒な妄想物質を排出する方法が閃きました! 題して「アル式デトックスで淫蕩な妄想に負けるな!」オギノ式ではありません、お間違いなく。

ストーリーも何も全くない、ただヤル(失礼)だけのお話ですが、アル式デトックスにお付き合い下されば、清く正しく美しいボディーが蘇ることでしょう。



特別な夜のために用意してくれた、見たこともない薄い下着を身に纏い、僕はベッドに呼ばれた。髪留めで伸びた髪を後ろで纏めてもらい、女の子のような髪型になった僕に目を細める男の熱情の微笑が、ときめく僕の背中を押した。これからの二人の行為が 淫靡で禁断であることを理解しながらも抗う事など出来なかった。
「可愛いよ」
「おいで」
男の言葉も今夜の僕にはいつも以上に心地よく、僕は頷きベッドに寝そべった。微熱を帯びた身体に心地よい糊の利いたシーツの肌触り、男の腕に包まれ目を閉じ、唇をねだった。柔らかな舌を絡め吸い合い、蕩けるような口付けに甘い溜息を男の口の中に吐いた。チュールの肌着から透けた僕の乳首に誘われたように、男は小さなボタンをひとつ、またひとつと勿体つけるように外し、肌蹴た胸に男の指が触れ、張り詰めた身体がびくんと跳ねた。
爪先で引っ掻かれていた乳首に、男の生温い唇が重なり、濡れた感触に、言葉にならない声を噛み殺した。硬くなった乳首を尖らせた唇で吸われ、遣る瀬無い刺激で背筋の震えが止まらない。喘ぐ僕のわき腹を宥めるようにゆっくりと撫でられ、粟立つ興奮に男の腕の中で身悶えるしかなかった。



男は身体の繋がりを求めることはなかった。真夜中のコンビニで密に買った下着に脚を通し、ベッドの上に仰向けになると、乳首や膨らんだ股間を撫で回し、オナニーに耽る僕を、男は自分の股間を弄りながら見詰める。
突起させた乳首を摘み、小さな下着の中で存在感を増すペニスを抓り、男の興奮を煽る。男の言いつけに従い、何度も脱いでは穿いた下着はすっかり濡れてしまい、男の許しが下りると、丸まった下着を足首から抜き去り、濡れそぼるペニスを男に見せる。溢れ出た淫水が手入れした陰毛を黒光りさせ、お尻まで濡れるのが判った。性器にコンプレックスを持つ僕を揶揄することはなく、「可憐な蕾みのようだ」と悦ぶ男が嬉しくて、露出した真っ赤な亀頭に指を伸ばす。
「もう、逝きそうです・・」と切なく告げると、男に脈打つペニスを扱かれ、僕は大きな声で喘ぎ、激しく悶えてベッドを軋ませ、男の手で射精する。精液が派手に飛び散り、男は僕が力尽きるまで扱き続け、満足したような笑みを僕に向ける。

紅潮した頬を伝う随喜の涙を拭った僕は、ベッドの上で膝立ちする男の腰に抱き付き、透明な雫を垂らす男のペニスを唇と指で夢中で愛撫する。咽返る男の欲情の匂いに理性を無くし、喉の奥まで吸引した反り返るペニスに涎を垂らし、息を荒げる男の射精を導いた。オナニーとはちがう、羞恥をともなうめくるめく快楽。同じ器官を持つ者同士が許された秘密の愉悦に溺れた。

それでも、日増しに膨らむ男への想い、あんなに感じているのに、僕を求めようとしない男の真意に悩まされ、疑いに嫉妬した僕は、凶暴な男の性器を模したディルドを刺した画像を添付し、求愛のメールを送った。眠れない夜を幾晩か過ごし、届いた男からの返信に僕の胸は震えた。


大切な君を壊したくなかった・・本当は君が欲しくて、欲しくて・・




アル式デトックスいかがでしょうか? えっ、中途半端だ?
効果は人それぞれですが、「続けてみたい」「続けろ!」という奇特な読者の方が沢山いらっしゃれば嬉しいんですが・・・


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クィーン 後編

明け方、依頼人からの指示でその子を成田空港で待つ依頼人の元まで届けた俺は、何時になく疲労した重い身体を事務所のソファーに沈めた。親子ほどの歳の違いに戸惑うも、消えることのなく残るあの子の存在感が、自分にはもう縁のないことと諦めていた淡い想いを呼び起こさせた。俺もクィーンの妖艶な毒気に当てられたかと自嘲めいたが、性的な欲望が催すことはなかった。

翌日、夕食から戻った事務所のビルの前で呼び止められ、振り向いた先にその子の姿を目にしたときの驚きは、言葉さえ見つけることは出来なかった。思いもよらぬ成り行きが信じられず、怒りさえ覚えた俺に、その子は悪戯な微笑を向けた。
「帰ってきちゃった」
「どうゆうことだ!」
「飛行機には乗ったんだけれど、乗客の男の子が、急に心臓の具合が悪くなって、成田に引返すことになったよ」
「お前まさか・・」
「エッチなドクターに小粒の薬を貰っていたのを思い出してね」
「僕を成田に送ったことで、彼方の仕事はもう済んだはずだ。僕は彼方の客ではなくなった。二時間もここで待って身体が冷えちゃった、早く事務所に入れろよ」
最後はクィーンのような命令調になったその子に、俺は大きな溜息を吐き、諦めてドアの鍵を廻した。

ドアを閉めるや否や、抱きついてきたその子に唇を塞がれた。突然のその子の行動に呑まれ、たじろいたが、なぜか悪い気はしなかった。同性との口付けは初めてではなかったが、その子の情熱的な口付けに応えることが出来ない虚しさが胸を締め付けた。
「彼方に言われたこと堪えたよ、生まれて初めて他人に説教されて恥ずかしかった」
「父には絶対に迷惑をかけないと誓ったよ、もう一度だけチャンスをくれって」
「彼方の慰めがいつまでも消えなくて、クィーンは卒業するけど、卒業記念にどうしても・・」
「俺は卒業記念品か、とんでもない不良品だぞ」
「不良品かどうかは、開けてみないと判らないだろ?」
妖しく潤んだ瞳を輝かせ、俺の股間を撫でたその子に、俺は人生最期の一縷の望みを賭けた。駄目でも、もう俺には失うものは何もなかった。


招き入れた自宅の小さなバスタブに冷えた身体を絡ませ、唇を啄ばみ、その子の手入れされた滑らかで張りのある素肌を手の平で堪能はしたが、俺の股間に顔を寄せ、その子の周到な唇の愛撫にも反応しないお粗末な性器が腹立たしかった。独り興奮したその子をもどかしく見詰めた俺は、忌まわしい過去を断ち切れなかった、自分の弱さを改めて知った。

高三の秋、俺は愛犬に引っ張られ、散歩途中の河川敷で女の死体を見つけた。初めはマネキンかと思ったが、異様な匂いと、うつ伏せに倒れた女のスカートが腰まで捲くり上げられ、泥だらけの豊満な尻から覗く陰毛と初めて見た女性器に驚愕し、自宅に駆け込んだ。事件は交際していた男の犯行と判り、すぐに解決したが、友人たちは死体のことを根掘り葉掘り聞きたがり、俺はちょっとした有名人になったが、しばらくの間、死体の幻影が脳裏から消えることはなかった。

その事件が切掛けかどうかは今では思い出せない。若干の武道の心得があった俺は刑事になることを目指し、警察官の採用試験を受け合格し、警察学校で規律を叩き込まれた後、交番勤務に就いた。日勤と夜勤か交互する過酷な勤務、絶対的な縦社会にも慣れ、実績を積むべく人一倍努力をしたが、刑事課への道のりは、知れば知るほど余りにも遠いものだった。
あれは三十歳を早過ぎ、どうにか昇任試験に合格し、晴れて巡査部長に昇級して二年が経った頃だった。勤務交番に事件の一報が入り、駆けつけたアパートの部屋で若い女の全裸変死体を目撃してから、俺の歯車は狂いだした。目を見開き、床に転がる全裸死体の生々しさが、河川敷の死体を鮮明に蘇らせ、毎夜のように俺を苦しめ、血気盛んだった身体に変調をきたした。同僚が一人、また一人と所帯を持つようになり、独身の俺は正直焦った。
意を決し、遠方の夜の盛り場に荒治療に通ったが、口では同情されるも、最期は小馬鹿にされるだけだった。もしかしてと試みた、同性との関係も自分の思い過ごしに終わった。

何軒かの泌尿器科の診察を受けたが、身体に異常はなく、どの医者も精神内科の受診を勧めた。職種柄、精神科を受診することは致命的で、刑事課への道は完全に途絶されることは判っていた。俺は身体、否、精神の病を隠し、何気ない顔で勤務に向ったが、日増しに膨れ上がる、女性への畏怖の呪縛から些細なミスを重ね、俺は重大な失敗を犯す前に退職を決心した。退職願を受け取った直属の上司は自分の経歴に傷が付くことを怖れ、露骨に眉を顰めたが、勤務中のトラブルが全くないことに知ると、ささやかな送別会を開いてくれた。
警察に十年以上勤めたキャリアは、再就職には困らなかった。身体の欠陥を素直に受け入れた俺は、大手の警備会社に就職した。

或る資産家の男性の警護に就いた俺は、警察で叩き込まれた仕事ぶりと、自分では当たり前のことだが、身持ちの堅さを認められ、警察官時代の同僚や上司と密かな情報のパイプを築いた俺は、私設秘書にスカウトされた。厚遇も魅力だったが、自分の知らない世界への好奇心が、刑事を目指した頃の気持ちと重なった。雇主の第一線からの引退を機に、俺は独立を勧められた。男の紹介で岩本町に建つ、古びた三階建ての二階に事務所を構えると、男の人脈の広さからだろう、すぐに仕事が舞い込み、どうにか食うには困らなかった。今回の件も男の繋がりで引き受けた仕事だった。

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クィーン 前編

青山三丁目交差点を左折し、飛ばす深夜タクシーを追うようにキラー通りを抜け、外苑西通りの裏路地に建つ雑居ビルの地下にそのクラブは隠れるように在った。members onlyと書かれた重いドアを開けると、暗い廊下の奥から現れた武骨な黒服の男が俺の前に立ちはだかった。
「何方かのご紹介ですか?」
柔らかな物言いだが、男の鋭い眼差しが警戒心を解くことはなかった。
「クィーンはいるかな?」
黒服の表情に一瞬緊張が走り、瞬きが増えたことを俺は見逃さなかった。
「クィーン?そのような方はここには居りませんが」
此処にもクィーンが出入りすることを確信した俺は、ポケットから無造作に万札を取り出すと、男の目の前で四つ折りし、携帯番号を書いたメモと一緒に男に胸ポケットにねじ込んだ。
「もしクィーンが来たら連絡してくれ」

緊急にクィーンを探せと、或る男からから依頼を受けてから5日が経っていた。クィーンの出入りしそうな所を虱潰しに当たったが、居所はつかめなかった。約束の期限まで、あと2日に迫っていた。依頼に反することは信用問題に係るし、何より俺のプライドが許さなかった。
日付が変わった真夜中に、ばら撒いた鼻薬が効いたのか、一人の男から連絡が入り、俺は男にもう一つ頼み事を引き受けさせ、急いで曙橋にクルマを走らせた。
人通りのない靖国通りの古びたマンションから少し離れた所にクルマを止め、薄暗いエントランスを凝視した。カーラジオが午前2時を告げ、しばらくすると件の男から携帯に合図が届き、俺はエントランスから出てきた人影を目で追った。流行のダウンを羽織り、大きなボンボンが付いたニット帽を深く被りマスクで顔を隠した少女の行く手を塞いだ。
「君がクィーンか?手荒なまねはするつもりはない」
少女は驚きに立ち竦んだが、すぐに事の成り行きに観念したように顎で小さく頷き、自分で助手席のドアを開けた。車内に充満する少女の容姿に似つかわしくない、きついオーデコロン、両手をポケットに突っ込み、終始無言で外を見詰める少女に、俺はどうにか期限内に仕事が遂行したことに安堵した。後は依頼主からの連絡を待つまで、事務所に少女を軟禁しておけばよかった。

物珍しそうに事務所の中を見回した少女は、真ん中に置かれた来客用のソファーに腰を下ろした。スプリングの伸びた年代物のソファーは小柄な少女の体重にも鈍い音を立てた。
「汚い事務所だね。僕はいつまでここにいればいいのさ?」
「僕?君は・・」
ニット帽を脱ぎ捨て、マスクを外した少女は、垂れた栗毛色の前髪をかき上げ、大きな瞳で俺を睨みつけた。見るからに柔らかそうな素肌、薄い唇、鼻筋の通った美少女のような、その子の容姿に、俺は目を見張った。
「一様、性別は男になっているけど」
ダウンジャケットを脱ぎ、オフタートルのニットを細いパンツに合わせた中性的なスタイルを見せ付けるように科を作った。
「驚いたな、クィーンというから女性だと思っていた」
「聞いてなかったの?」
「聞いてはいなかった、まあ、性別はどうでもいいこと、お前を見つけさえすれば俺の仕事が終わる」
「ねえ、父に頼まれたの?」
「この仕事は口が堅くないと勤まらない」
「こんなこと頼むのは、あいつ以外には考えられないけど、臆病なあいつは、直接頼むことはしないことは判っているよ、どうせ僕は、兄や姉と違って家族の厄介者だから」
「君が厄介者?」
「そうさ、父のスキャンダルになるから、僕が邪魔なのさ」
「俺はお前の父親は誰だか知らんが、立派な父親がいて、何不自由なく暮らせて、いい身分だと思うが」
「あいつが立派な父親だって?お笑いだぜ、家族を省みないで、好き勝手やってる」
「それじゃあ聞くが、お前が好き勝手やっているのは、父親譲りということか?」
「ふ、ふざけんな!あんたに何が判る!」
痛いところを突かれたのだろう、その子は顔を紅潮させ怒りを露にし、食って掛かってきた。
「まあ、落ち着け、コーヒーを淹れる」
簡単な仕事だと思い、安請け合いした依頼が、思いのほか難儀したことに苛立っていた俺は、子供相手に口喧嘩を吹っかけたことに、まだまだ修行が足りないことを痛感した。


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