夜のお伽噺

アルのオリジナル小説置き場です

「ソウル・トレイン」の思い出

ドン・コーネリアスという名前にピンとくる方は、少ないと思いますが、「ソウル・トレイン」というアメリカのテレビ番組を知っている方は多いと思いますし、そのテーマ曲を聞けば、「ああ、アレね」ってどなたもご存知だと思います。
そのアレの創設者で、番組で司会を務めたドン・コーネリアスの死亡記事を目にしました。75歳。ジジイと言えばジジイですが、老け込むにはまだ早く、人生の最終章で自ら命を絶つとは、大きな問題を抱えていたのでしょう。

ディスコブームの芽が吹き出し、スリー・ディグリーズという三人娘の曲が、ラジオのヒットチャートを賑やかしていた頃、日本で「ソウル・トレイン」の放映が始まったと思います。TBSテレビ、土曜日の午後11時30分からの30分番組で、私の記憶違いかも知れませんが、ロックコンサートの映像番組(番組名は思い出せません)と1週おきの放映だったと記憶しています。ディスコのダンスフロアーのようなスタジオで、本場のイカシたダンスとゲストのソウルシンガーの歌。ほとんどの歌手が口パクでしたが、まだ、ミュージックビデオなど無い時代でしたから、ミュージシャンの動く姿見たさに、テレビにかじりついておりました。

しかし、私のお目当ては番組だけではなくて、番組のコマーシャルもそうでした。スポンサーはJUNとROPEというブランドのお洋服屋さんで、その素晴らしいコマーシャルは、今でも鮮明に覚えております。アイビーファッションの雄、VANの二番煎じのように登場したJUN。アイビーファッションが廃れだし、ヒッピーファッションに変わり、そして、ヒッピーファッションが、ディスコブームの到来と同時に、ソウルファッションが流行り、スタイルがコッパンからジーンズ、ベルボトムがパンタロンスラックスに変わっていきました。アイビーに固執し凋落したVANを尻目に、変わり身早く、流行に乗ったJUN。女性服ブランドROPEを立ち上げ、オシャレさん御用達の洋服屋さんになっておりました。出来たばかりの新宿の地下街「サブナード」にショップがあり、私には値段が高くて、おいそれとは手が出せませんでしたが、よくひやかしに立ち寄りました。

今回、ブログ記事を書くにあたり、ダメもとでコマーシャルの映像を探してみましたが、なんと、まあ、驚いたことにYouTubeにアップされておりました。まだ、家庭用VTRは普及していない時代、どのような経緯にしろ、40年ちかく前の映像を見ることが出来た嬉しさに感激しております。


ファッション写真家、リチャード・アヴェドンによる“J&R”のコマーシャル映像

          







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鬼火

頑丈なドアを閉めると、耳を疑るような無音の空間に、落ち着きを無くしたその子の鼓動が聞こえた。
真っ赤なビニール張りの部屋には大きな寝台とガラス張りのシャワールームがあり、その手の嗜好を満足させるには十分だった。異様な部屋の作りに、怖気づいたように息を呑むその子の腰を押して、私とその子の二人だけの秘密の蓋を開いた。

その子は私が管理する特殊なサイトの閲覧者で、何度かのメールのやり取りの末、顔合わせはしたものの、私は自分の目を疑ってしまった。妙齢の女性を想像していた私の前に現れたのは、なんと、男の子だった。
その子の醸しだす中性的な雰囲気に、興味が惹かれたのは事実だが、騙された私にも非があり、にべもなく追い返すことも出来なかった。その子の大人びた振る舞いに残る幼さに、白状させた実年齢に呆れた私は、他愛の無い会話で本題を逸らし、二度と会うことの無い再会を約束して、その日は別れたのだった。
しかしすぐに、その子から丁寧なお礼のメールが届いた。切実な想いと願いを吐露した誠実な文面。そして“やっと、あなたに光を見つけました”と最後に綴られた文言に引っ張られた私は、気持ちが揺らいでしまった。
人間、相手に誠実に出られると、誠実を返したくなるものだろうか。その晩、私はその子に日時を指定したメールを送ったのだった。


寝台の淵に腰を下ろした私の前で恥ずかしそうに洋服を脱ぐその子。震える指先がもどかしく、裾の短いキュロットパンツのボタンをやっとの思いで外したその子は、私と視線を合わせないように俯き、下着姿を披露した。
薄嫌い部屋に浮かぶ真っ白い素肌に小さな乳首、柔らかそうな腹と真っ直ぐ伸びた黒いパンストの脚。
股間を隠した細く長い両手を下ろすように命じた。着ていたニットとお揃いのオフホワイトの股間に食い込む女性用の下着。その膨らみに滲む染み跡を詰る私に、待ちきれない欲望を少女ように言い訳をした。

加虐趣味が煽られた私はバッグの中から用意した銀色の薬包の封を切り、緩やかだが確実な薬効が私のお気に入りの白い親指大の座薬をつまみ出し、自分で挿れるように突き出した。
私の命令に息を呑み、出来ないと何度も首を横に振り、怯えた表情で後退りするその子。嫌なら終わりを告げた私に、その子は渋々座薬を受け取ると私に背を向け、しゃがみ込んだ。
肩を窄め滑らかな背中を丸め、下着をずり下げ膨よかな臀部を拡げた。
股間から差し入れた指先を後に廻し、その子は興奮で掠れた呻き声を吐き、座薬を身体の奥深く指で押し込んだ。
命じた通りに下着を戻し私の前に跪き、褒美が欲しいと甘えるその子の口元に人差し指を伸ばした。
ちゅうちゅうと、まるで男性器を愛撫するような音を立て、目を閉じ指をしゃぶるその子。早くも薬効があらわれたのか、苦しそうに喘ぎはじめたその子の口の中をかき回した。
震える舌を弄り、溢れた唾液が顎を伝わり糸を引き床に垂れた。綺麗に塗っていた淡いリップが私の指を染め、喉奥に突っ込んだ指で嗚咽を上げ、涙を流すその子。

非情な薬効に身体を戦慄かせ、粟立つ身体で腕組みする私の膝を揺すり、何度も許しを求めるその子に下着を脱ぐように命じた。片足でバランスと取りながら丸めたパンストを脱ぎ捨て、一瞬躊躇したものの、自分の意思では抑えることの出来ない、ふつふつと、身体の奥で湧き出した欲求に下着を下ろした。
短く手入れした陰毛、濡らした光る小ぶりな性器。強い刺激に萎えても発情した、醜い雄の姿態に満足した私は、仕方が無いとばかりに大げさに舌を鳴らし、シャワールームに入ることを許した。


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