夜のお伽噺

アルのオリジナル小説置き場です

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Old Fashion Love Song 3

包みボタンのスタンドカラーの白いシャツに黒の細いスラックスを穿き、この間とは全く違う印象で現れた好和に案内され二人は会場に向かった。新進気鋭の女性版画作家の初めての個展ということで会場は賑わい、作品について何も分からない康平は好和の説明にただ頷くだけだった。この日康平は好和が香水をつけていることに気が付いた。香水を付ける男など気障な奴と軽蔑していた康平だったが、好和が付けた香りはお洒落な好和に自然に溶け込み、その果物のような甘い香りに魅了された自分がなんだか不思議だった。
「好和、香水つけてる」
「あっ、ごめんなさい」
「謝ることはないよ。いい香りだ」
香りを褒められた好和は嬉しそうに笑みを浮かべた。

帰りに新宿の画材屋に付合い、夕食がてらに三越裏の焼き鳥屋に立ち寄り、時間が経つのも忘れ、男二人がなぜこんなにもおしゃべりなのか呆れるほど話し込み大笑いした。
「康平さん、明日も休みでしょう」
「音楽聴きながら家で飲みなおしませんか。よかったら泊まっていってください」
独り住まいの康平には帰らなければいけない理由もなく、尽きることのない話に二人は駅前で酒を買い好和の部屋へ向かった。


好きなレコードを何度も掛け、封を切ったスコッチは残りわずかになっていた。両腕を伸ばし、康平の大きな欠伸に好和は康平に風呂を勧めた。
「康平さん、布団敷きますから先にお風呂入ってください」
「えっ風呂、今夜はいいよ。少し酔ったし」
康平は初めて泊めてもらうことへの遠慮と、風呂を汚しては悪いような気持ちがあった。
「駄目、駄目。シャワーだけでもいいから入ってください」
康平の腕を引っ張り好和の強引とも思える誘いに断りきれなくなって、シャワーだけで済ますことに決め重い腰を上げた。風呂にはすでに湯が張ってあったが、康平はシャワーの栓を捻り頭から浴び、両手で泡立てた石鹸で全身を洗い最後に性器を扱くように洗った。
「バスタオルここに置きます」
ガラス戸のむこうから好和の声が掛かり、風呂場を汚していないか確認してシャワーを止めた。
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Old Fashion love Song 2

待ち合わせの場所に立っていた好和は決して派手ではなかったが、同年齢の学生とは全く違う印象を康平に与えた。淡い色使いのペイズリー柄のドレスシャツにグレーのストライプのスリムなスラックスを穿き、変わったデザインの時計とシルバーのブレスレットを左腕にはめ、開いた襟元からシルバーのチェーンが覗いていた。
誰から見ても目を引く、お洒落なロックミュージシャンのようなスタイルだった。昼間の好和はさらに色白で、店では固めていたセミロングの栗毛色の髪を下ろし前髪を自然に分けていた。「佐々木君、お洒落!」感心する康平に好和は照れたように白い歯をみせた。

二人はすぐに打ち解けて東口の輸入盤屋を何軒か冷やかし、喉が乾いたと入った喫茶店で好和は鈴木のことを康平さんと名前で呼ぶようになり、年上の康平は佐々木を好和と呼ぶようになった。
「康平さん、僕の家に寄っていきませんか」好和とこのまま別れるのも心残りのような気がしていた康平は、好和の家はここから電車で2つ目だという近い距離でもあり、寄り道することを決めた。
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Old Fashion Love Song

我慢出来ず、溜息を漏らし喘いだ。たまに聞こえるのは冷蔵庫の作動音だけ。でも二人の耳には互いの早い鼓動がうるさいくらいに響いている。仲良く敷かれた布団の片方に、音を消されたテレビの深夜劇場の画面が明るくなった時だけ二人の姿態がぼんやり浮かび、暗くなると目を開けているのか、閉じているのか判らないほどだった。

好和は康平の左の小さな乳首に唇をそっと当て、もう片方の硬くなった小さな乳首を摘んだ。康平は好和の愛撫から力のない抵抗を試みるが、初めての感覚に簡単に負けてしまう。以前女性の乳首と性器の神経は繋がっていると、どこかで聞いたことがあったが、男にも当てはまるとは思わなかった。好和が吸うと康平の腰が反射的に上下する。好和にはそれがとても嬉しかった。

鈴木康平と好和の出会いは全くの偶然で、康平が就職して、会社と仕事に少し慣れてきた頃、上司のお供で行ったラウンジ「ベラミ」という名の酒場だった。上司の贔屓の店らしくカウンターに座り、康平は皆に紹介され、お決まりの乾杯。上司はお気に入りの女の子を相手におしゃべりに花を咲かせ、康平は上司の手前おとなしく飲んでいた。
手持ち無沙汰な様子を見かねたように、ボーイがカウンター越しに康平の前に立ちおかわりを勧めてくれた。小柄で童顔な彼は、康平より2歳年下の美術系の学生で、夜はアルバイトで店に出ているという。彼とは音楽の話で馬が合い、彼も暇を見つけては康平の前に立った。上司は上機嫌でご帰還の合図で腰を上げ、お供の康平も見送り受けた。
家に着いた康平は女の子の源氏名の小さな名詞と、彼が差し出した佐々木好和と書かれた名刺を上着から取り出しテーブルに置いた。


2度目に康平が「ベラミ」に行ったのは、同僚たちと宴席の2次会だった。テーブル席に案内され、女性相手に下ネタ話で大いに盛り上がり康平も楽しんだ。康平が席をはずすと、好和が声をかけてきた。「鈴木さん、ダイスやりませんか」康平は好和とこの前の音楽の話の続きがしたくて、快く応じた。
カウンターをはさみ康平と向かい合った好和は、慣れた手つきで3個のサイコロを革のカップに放り込みテーブルの上でばやく振り、3個のサイコロを積みあげた。「3個は割りと簡単なんです。鈴木さんに見せるのに失敗しちゃあいけないでしょう」好和は照れ笑いしながら康平にカップを渡した。康平は見よう見真似でカップを何度も振ったが、一度もサイコロを積み上げることが出来なかった。好和はサイコロをもう1個増やし何回かの失敗後、見事に4個のサイコロを積みあげた。「鈴木さん今度レコード屋巡りしませんか」好和は口約束を覚えていた。二人は今度の休みに出掛ける約束をして、またダイスに興じた。
康平は好和の細く長い指先にうすくマニュキアが塗られているのを見とめたが、とても自然に思えた。

続く。

約束

どうしてこうなったんだろう。
想像したことはあったけれど
抗うことも出来ない誘惑と好奇心。
誘われるまま、男のクルマに乗り薄暗いホテルの部屋へついて行った。

初めて?
男の顔がほころび、シャワーを浴びるようにとポンとお尻を叩かれた。

渡された小さな白いパンティに興奮を収め
鏡の中で手練女のように科を作る自分が可笑しかった。

ベッドの淵に腰掛ける男の熱い視線が身体を縦断し
恥ずかしくて隠した腕を乱暴に取られベッドに倒された。
背中から腰へ徐々に撫で下ろす男の手に全身が粟立つ。
食い込むパンティの隙間から差し込まれた濡れた指先に
思わず恐怖を感じた。

しないって約束したのに

身体を硬くして男の指に抵抗しても
垂らされた粘液は非情で
秘めた性癖を白状するしかなかった。

身体を強張らせ反らした背中に男は薄笑いを洩らし
丸まったパンティを引き抜かれた。
言われたとおりお尻を突き出し
男は尖らせた指で身体の奥を貫いたまま僕の腫れた股間を扱いた。

しないって約束・・

はじめて他人に身体を預けた興奮。
誰にも聞かせたことの無い喘ぎ声を男に聞かせ
自分とは違う指の動きに戸惑うも
正直な身体。

おねがい、いじめないで
やさしくして
おねがい

はずかしい
だめ
だめ

いっちゃう
いっちゃう
絶頂の悲鳴を上げ、男の二本の指をきつく締め付けた。

しないって、約束したのに・・


二人でいるときしか聞かせない声
少女のような声

ユウの何処に惹かれたんだろう
笑顔
生意気なところ
わがまま
エロティックなところ

無言でユウの身体をぎゅっと抱き寄せる
一瞬驚いたように身体を強張らせて
でも、すぐに嬉しそうな顔して
強く抱き締めかえす

二人でいるときしか聞かせない声
少女のような声

太腿を撫で回していた手を股間に這わせ
ユウの欲情が
指に腕に脳に伝わり
目の前が揺れる

二人でいるときしか聞かせない声
少女のような声

握り締めていたユウの手が花びらのように開き
僕の欲情を包んだ
ほら、僕だって

二人でいるときしか聞かせない声
少女のような声

ユウの何処に惹かれたんだろう
声?
それを私は聞いている

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